本作はハリーポッターの3作目です。本作ではハリーの名づけ親、両親と親しかったホグワーツ時代からの旧友、両親の死の真相を知る人物などハリーの両親を知る人物が多く登場します。今回は、本作では詳しく描かれていない設定、魔法アイテム、魔法動物のエピソードとともに考察します。

本作で詳しく描かれていないジェームズ・ポッターの旧友たちの過去

本作ではハリーの両親をよく知る人物が多く登場します。そしてハリーポッターシリーズの展開にも大きく関係してきます。息子であるハリーに両親の旧友が両親の死の真相を伝えるシーンはシリアスで心が裂けそうになります。本作で詳しく描かれていない設定を知ることでそのシーンについてより理解を深めることができるでしょう。

・シリウス・ブラック

シリウス・ブラックはハリーの名づけ親です。本作では詳しく描かれていませんが、シリウスはブラック家に珍しいグリフィンドール生でした。ブラック家はマルフォイ家と同様に純血主義であり、従妹にはベラトリックス・レストレンジがいるほどヴォルデモートの思想が強い家系でした。そのため、ブラック家の多くはマルフォイ家のように純血である自分たちを誇り、半純血やマグル生まれをバカにする傾向がありました。しかしシリウスはその純血主義を疑問に感じていました。だからこそグリフィンドール生として、同じくグリフィンドールであるリーマス、ピーター、ジェームズと仲良くなれたのでしょう。

・リーマス・ルーピン

リーマスは狼人間のため、満月をみると狼に変身してしまい我を忘れ友人にも襲い掛かる可能性がありました。リーマスは学生のころから狼人間でしたが、周りの友人には知らせていませんでした。しかしシリウス達はリーマスが満月の日に狼人間になることを突き止め、そのことをきっかけに自分たちも動物もどきを習得したといわれています。秘密を共有してその秘密を乗り越え絆が深まり仲良くなったのでしょう。

・ピーター・ペティグリュー

ハリーの両親の死に深く関わるピーター・ペティグリューですが、彼もジェームズ達とホグワーツで魔法を学んだ旧友です。ピーターもグリフィンドール生だったことに驚きを隠せません。きっと組み分け帽子はハリーの時と同じくらい、スリザリンに入れるかグリフィンドールに入れるか悩んだことでしょう。ピーターは無事グリフィンドールに入寮しシリウス達とともにいたずらっ子の問題児として仲良くなったといわれています。

・ジェームズ・ポッター

ジェームズは言うまでもなくハリーの父親であり、登場回数の少ない人物です。ジェームズは回想シーンしか登場しないためエピソードも少ないです。ですがハリーにとって偉大な父であり、ホグワーツ7年生の頃には首席に選ばれクィディッチのシーカーとしても活躍していました。一方、かなりのいたずらっ子の問題児でスネイプをいじめることも多かったといわれています。

現実世界にもほしい魔法アイテム

魔法界には現実世界でも使いたくような魔法アイテムがあふれています。その魔法アイテムは、作品中には説明がないものの登場人物の過去が垣間見れたり、今後のシリーズでも重要な役割を果たすようなアイテムも存在します。

・忍びの地図

ハリーがホグズミードに行くのに使っているのが忍びの地図です。この忍びの地図をハリーに譲ったフレッド・ウィーズリーとジョージ・ウィーズリーです。2人はこの忍びの地図をフィルチの部屋から盗んだと本作で説明しています。しかし実は元々の所持者は別に存在したことをご存知でしょうか。それは忍びの地図を使うときの合言葉を言った後「ムーニー、ワームテール、パットフッド、プロングスの自信作」の表示に現れています。ワームテールとはピーター・ペティグリューのことで本作の終盤でもシリウスやリーマスにワームテールと呼ばれています。しかし他の3人については詳しく本作で登場してきません。しかしこの4人の名前こそリーマス、ピーター、シリウス、ジェームズなのです。ムーニーはmoonyで「お月様」つまり満月をみると狼人間になるリーマスのことです。パッドフットは直訳で「肉球の足」つまり犬の足を意味しているため動物もどきで犬になるシリウスことをいいます。プロングスは直訳で「鹿の枝分かれした様子の角」のことをいい、ジェームズの守護霊である牝鹿を意味します。
つまり忍びの地図はジェームズ達がホグワーツにいた頃に作成した魔法アイテムだったのです。本作では夜中にホグワーツの廊下を歩き回るハリーからリーマスが忍びの地図を手にします。ハリーをスネイプからかばおうとして手に取ったのが学生時代に自分たちが作成し使っていた地図であることに、リーマスはきっと驚いたことでしょう。

・時間時計

本作で大きな役割を果たすのが時間時計です。しかし扱い方が難しいこのアイテムは、ハーマイオニーだからこそ有効に使うことができたといえるでしょう。この時間時計は今後のハリーポッターシリーズに登場することはありません。しかし「死の秘宝」から19年後を描いた書籍「ハリーポッターと呪いの子」で再び時間時計が登場します。時間時計の難しいところは、時間を巻き戻したときに自分の姿を見られたら来るべき未来が変わってしまい自分たちも未来に戻れなくなってしまうところです。「ハリーポッターと呪いの子」では時間時計の使い方に失敗し悪戦苦闘します。しかし本作ではハーマイオニーがヒッポグリフやシリウスを救うだけでなく、うまく使いこなし様々な授業を受けます。そんなハーマイオニーの器用さに感嘆としてしまいます。

魔法動物

魔法界には様々な動物が登場します。ハリー達が飼っているようなフクロウ、ネズミ、猫が一般的ですが、ハグリットが飼っているようなヒッポグリフなど珍しい魔法動物も本作で登場します。

・ヒッポグリフ

ヒッポグリフは体の前半分が鷹、後ろ半分が馬の魔法動物です。プライドが高い魔法動物でヒッポグリフを侮辱したり、近づく前におじぎをして挨拶しないとけがをさせられる可能性がある要注意な動物です。本作でもマルフォイが注意を聞かずに近づいたことで軽いけがをしました。現実世界では何か学校で問題が起こると最終的には市町村の教育委員会まで話が進んでしまいますが、魔法界では魔法省の危険生物処理委員会が対応をします。ヒッポグリフは本作以降の物語のなかでもシリウスのペットとしてともに生活をしたといわれています。接し方が難しいヒッポグリフですが、礼儀正しく愛情をもって接すればペットとして一緒に生活することも可能なのでしょう。

・まね妖怪(ボガート)

リーマスの授業で登場するまね妖怪ですが、このシーンではハリー達がそれぞれ怖いと思っているものを知ることができます。まね妖怪が登場するのは本作が初めてでしたが、まね妖怪は今後のハリーポッターシリーズでも登場します。そしてハリーポッターシリーズに続くファンタスティックビーストでも回想シーンで登場します。その回想シーンとはホグワーツ時代の闇の魔術に対する防衛術の授業でした。やはりどの時代でも闇の魔術に対する防衛術でまね妖怪は必要な魔法動物だということがわかります。

まとめ

本作で詳しく描かれていない設定やエピソードをもとに考察しました。本作で詳しく描かれていなくても、それぞれの登場人物には様々な過去やエピソードがあり、知れば知るほど物語をより深く理解することができます。この考察を読んでもう一度本作をみたらきっとまた魔法界に誘われることでしょう。

その他のハリーポッターシリーズ作品

「ハリーポッターと賢者の石」を考察!作者JKローリングの想い

【考察】「ハリーポッターと秘密の部屋」からひも解く魔法界の格差

「ハリーポッターと炎のゴブレット」での新たな登場人物を徹底解説!

「ハリーポッターと不死鳥の騎士団」ホグワーツの試験と校則を考察!

「ハリーポッターと謎のプリンス」でわかる師弟関係や恋愛関係を解説

「ハリーポッターと死の秘宝」本作で描かれていない原作の設定を紹介