まずは、高橋ひかるさんの可愛いインスタ画像から・・・!

今回は高橋ひかるさんの女優デビュー作「人生の約束」についての感想。

どんなに経済的に裕福な人であっても、どんなに意思が強く自立している人であっても、必ず人生において他人と関わりを持って生きていかなければいけない。

会社員は会社の組織の中での人間関係があり、苦労している人も多いのではないか。人間関係といえば、会社内だけのはなしではない。友人、恋人、家族などなど、人間誰しもが経験するものである。

映画『人生の約束』は富山県射水市で伝統的に行われている祭り「新湊曳山まつり」を題材に、仕事にしか興味のないIT企業のCEO中原(竹内 豊)がかつての親友の故郷で行われる曳山祭りと、とあるきっかけで関わることになる。都会のど真ん中の会社で先頭を走っている中原と、漁船が行き交う漁師町に住む新湊の人々とのいかにも相まみえない関係が繰り広げる人間物語である。
この作品では会社組織の人間関係と新湊地域に住む人たちの人間関係が表現されている。
この全く別の環境で繰り広げられる人間関係を映画『人生の約束』から考えていきたい。
ちなみに高橋ひかるは、塩谷航平の娘である渡辺瞳の役で出演している。

人間関係とは?

ここではまず、そもそも人間関係とはなんなんだ?ということを考えていきたい。
冒頭でお伝えした通り、人間は生きていく上で必ず人と関わりを持っていく。ある人に出会ったおかげで自分の人生が変わったなどの経験をした人もいるのではないか。しかし、いい話ばかりではなく、たった一人の人間に出会ってしまったが故に自分のその後の人生が辛いものとなってしまった人もいる。いわば、人間関係を上手くこなしていくことによってより良い人生が歩めると考えてもオーバーではない。
ここで難しいのが、人間は人それぞれ考え方が違うということだ。自分が感じていることと同じことを他人が感じているとは限らないのだ。そのため、自分の意見を他人に押し付けてしまうとあまり良い印象を与えない。それが長く続いてしまうと、結果的に良い人生を送れていないことにつながってしまう。
以上のことを踏まえてより良い人間関係を築くために必要なことを一言で表すことにする。それは「我慢」である。
「我慢」にも様々な「我慢」が存在する。次に会社組織内の人間関係、そして地域組合の人間関係を「我慢」と絡めて考えていきたい。

会社組織内の人間関係

会社組織内で人間関係に関わってくる人たちは主に、先輩、後輩、同期、上司であろう。この中の後輩と同期はそこまで気を使う必要がない存在のため今回は外すことにする。組織内の人間関係で先輩、上司にはかなり気を使うことになる。

~先輩~

誰にでも優しくて頼りがいのある先輩に出会えた人はそれだけで素晴らしい会社員ライフを送れるだろう。しかし、会社組織にはそういった先輩ばかりではない。会社によっては部署異動が頻繁に行われる会社もある。今は安泰でも1年後も安泰とは限らないのが会社だ。自分に合わない先輩のもとで仕事をしなければいけない時「我慢」が必要となってくる。
我慢するポイントは、働く姿勢と受け入れる心だ。まず、働く姿勢に関しての我慢は、先輩は自分の普段の働きぶりを間近で見ている存在だ。先輩から指摘されたことに対して返事をしなかったり、テキパキ仕事を行わなかったりするとそこから先輩との人間関係が崩れていく。そこには最新の注意を払わなければならない。次の受け入れる心の我慢は、先輩からの仕事に対する不平不満をしっかりと受け入れてあげることだ。先輩の愚痴をしっかりと聞いてあげることによって自分に対する態度も変わってくる。ここは我慢しなければならない。

~上司~

仕事をする上で上司とはあまり直接関わらないという人も多いのではないか。しかし、様々な仕事の決定権を持っているのは上司のため、ここぞという場面で関わりが発生してくる。その時に我慢の態勢を整えておかないと大変なことになる。
ここでの我慢のポイントは、立場とやり方だ。まず立場の我慢だがこれは当たり前のことだが、上司と部下では立場が違う。基本的に会社組織はトップ(社長)から下にタスクを落としていくことによって正確かつ円滑に事業を進めていくようになっている。そこに逆らってしまうのはナンセンスである。一つの企業を相手に一人で立ち向かうのはあまりに勝算がないからだ。

次にやり方に関する我慢だが、上司は基本的に自分の経験をもとにやり方を決めてくる。部下が意見を述べてもそこに明確な根拠や価値が見出せないと首を縦に振ることはない。なぜなら、上司はその過去の自分のやり方で一応成功を収め、今の地位を確立したからである。会社は前例や事例などに対してかなり敏感な組織なのである。

地域組合の人間関係

この章では地域組合の人間関係について考えていく。様々な場所から人が集まってくる会社組織と違って、地域組合は普段の生活の範囲内で形成される組織である。前提条件が違うため、考えなければいけないことも変わってくる。

~ご近所付き合い~

映画『人生の約束』の舞台となっている新湊は、田舎である。田舎特有の地域住民はみんな顔見知りという環境で、ご近所付き合いは人間関係を円滑に行う上で重要となってくる。また、ご近所付き合いのコミュニティーによる情報伝達能力は凄まじいものがあり、一つのミスがあれよ、あれよのうちに伝わっていってしまう。
ここでの我慢のポイントは、共感と発信である。まず共感は、目立つ存在にならないために有効である。ここでの目立つ存在とは、良い意味ではなく悪い意味でだ。地域社会を悪い意味で乱す言動をとってしまうと浮いた存在となってしまう。そうならないために常に共感の意識を持って暮らしていく必要がある。少々自分と考えが違うと思ったことが起きたとしてもそこは我慢し共感する。

次の発信に関しては、発信することを我慢するという意味だ。ご近所さんとは暮らしの行動範囲が近い。そのため、見てはいけないものを見てしまったり、聞いてはいけないこと耳にしてしまったりする。その時に闇雲にその情報を他人に発信することは危険だ。時にご近所付き合いの人間関係では、気がつかなかったフリをするのも大切となってくる。

~高齢者との付き合い~

映画内で行われる「新湊曳山まつり」はその地域で伝統的に行われてきた祭りである。地域に根付いた祭りを盛大なものにしたいという思いは共通でも若い人が考える方針とその地域に昔から住み続けている高齢者たちが考える方針にはズレが生じてくるのもである。特に田舎において、若者と高齢者との人間関係は困難なものとなってくる。
ここでの我慢のポイントは、変化と新しさである。この変化と新しさの我慢は密接な関係にある。時代の変化とともにそれに順応しようとする人たちがいる。その人たちのおかげでテクノロジーは発展を遂げてきた。社会の変化に反応し、新しいものを生み出してけるのは常にアンテナを張っておかなければならない。田舎暮らしが長い高齢者には困難なことである。昔ながらのやり方を伝統と捉え、新しい変化を受け入れることができない。若者と高齢者の意見の対立は人間関係が崩れてしまう要因となる。

まとめ

映画『人生の約束』では、都会のど真ん中にあるIT企業と田舎の漁師町にある新湊との真逆の環境でそれぞれ人間同士の物語が繰り広げられる。暮らしが違えば自ずと考え方も変わってくる。作品の主要人物であるIT企業のCEO中原(竹内 豊)はこの二つの環境を行き来する。異なる二つの環境で抱える問題に対し中原は苦戦しながらも対峙していく。人間は問題を抱えてしまうと視野が狭くなってしまう。そういう時こそ視野を広く持つことが重要である。今回、会社組織内の人間関係と地域組合の人間関係をそれぞれ考えてきた。その結果、同じ人間関係であっても気をつけるポイントは異なっていることがわかった。しかし何かに行き詰まってしまった時、全く逆のことを参考にするのもいいのかもしれない。なぜなら、映画『人生の約束』の中原もそうだったのだから。